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予算管理システム導入時の考慮点 ①ー月次管理より始めよ

経営管理メールマガジン Vol.8 です。

予算管理システム導入と言えば、現状で行なわれているエクセル仕事の省力化/改善が主眼と思われがちですが、実際には、もう少し高いレベルを狙って導入に取り組まれるケースが多いのです。

私たちフュージョンズは fusion_place という経営管理クラウドのプロバイダですので、予算管理システムの導入にも多数の企業で関わらせて頂いています。そうした経験を踏まえて、予算管理システム導入時にユーザーサイドで考慮すべき事項について、何回かに分けてお伝えしていこうと思います。

今回は、全般な進め方から見て参りましょう。  

予算編成は年1回

そうなのです。期中に修正予算を編成する場合もありますが、予算編成は年1回が基本です。予算編成時にシステム導入して初回運用すると、次回の運用は翌年となります。ということは、運用の仕方を忘れてしまうのです。

ですので、フュージョンズでは、タイミングが許すなら、予算編成からではなく、毎月の月次管理から導入することをお勧めしています。業務負荷という面では予算編成がクローズアップされがちですが、月次管理にも結構な労力がかかっています。具体的には:

予実差異分析

毎月、経理/企画から各部門に、予算と実績の差異分析が依頼されます。各部門は、伝票明細を参照しながら、科目ごとの差異発生理由を分析して説明をエクセルシートに記入し、経理/企画に提出します。

経理/企画は、このために、伝票データを部門ごとに振り分けてエクセルシートを作り、各部門に配信したりします。ERPのデータベースには伝票データがあるのですが、ライセンス料金が高すぎて現場部門まで利用を展開できなかったりするわけです。展開出来ていても、勘定元帳のような財務会計的画面で、現場部門にとっては使いづらい場合もあります。

部門からの差異分析コメントを取りまとめるのも大変です。エクセルシートをマージして、全部門の差異コメントデータを科目別に並び替え、金額が大きな項目をピックアップしたりします。

月次報告

月次報告資料はふつう、エクセルで作られますが、これにも相当の手間がかかっています。エクセルファイルが複雑に絡み合い、解読不能になるという、いわゆる、エクセルメタボ状況が生じています。

加えて、月次報告には、山ほどの資料が添付される割に、経営者が欲しい詳細はありません。添付資料も、切り口を変えた要約データばかりで、本当の詳細データは含まれていません。売上高と経費では、見たい切り口も異なります。

ということで、月次報告は、労が多い割に、経営者にとっては今ひとつ価値が感じられないという状況になっていがちです。

 管理会計:月次報告 を見る

月次管理から始めるメリット

以上のように、月次管理業務には、思いのほか改善余地があります。また、予算編成に先行して月次管理でシステムを導入すると、経理/企画も現場部門も毎月それを利用することになるので、習熟の面でも有利です。

今までタイムリーに提供できていなかった実績データを、ドリルダウンなど含めた分かり易い画面体系で提供することで、経営層と現場部門の双方にメリットを感じて貰えるため、さらなるシステムレベルアップについての理解も得やすくなります。

加えて、システム導入の進め方の面でもメリットがあります。予算編成のシステム運用開始のチャンスは年1回です。それをはずすと1年遅れることになります。プロジェクトは、もちろん、スケジュールを設定して粛々と進めていくのですが、メンバーが一時的に他業務に取られるといったイレギュラーも発生します。月次管理からスタートした場合、そうした事象が起きても、月単位で運用開始時期をずらすことができます。これも、大きな安心材料です。

fusion_place 適用事例でも、最近では、月次管理から入って期中から運用開始し、その流れで翌年度の予算編成に適用し、さらには期中での見込みにステップアップ、というパターンが定石化しつつあります。もちろん、お客様のご事情に応じてバリエーションがあり得ますが。

次回予告

それでは、じっさい、月次管理をシステム化する際に、何を狙い、何を考慮すべきでしょうか。次回はそのテーマでお話ししたいと思います。