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営業部門と経理/企画部門をつなぐ売上予算管理のススメ

突然ですが

コンサルティング事務所ビジネス・ブースターズの徳地と申します。

この度、株式会社フュージョンズ(以下、フュージョンズ社)の社外協力者である私が、「fusion_place を気軽に導入して、その良さを実感していただく」という同社の意向に賛同して、ミニアプリ「売上予算管理」の開発を担当させていただきました。フュージョンズ社では、多くの企業に fusion_place を使っていただくための様々な取り組みを進められており、今回の用途別ミニアプリのリリースもその一つの位置付けです。

 

経営管理の幅を拡げる!fusion_placeアプリケーションギャラリー

 

私はかつて事業会社で財務・経理のマネージャーとして計数管理に携わっており、fusion_place を用いて数値の集計、分析、報告を行っていました。fusion_place は、IT部門に依存することなく、ユーザーが主導権を持って仕組みを構築し、運用することが可能なソフトウェアです。刻々と変化する要件に柔軟かつスピーディーに対応できる点、および「痒いところに手が届く」機能を備えている点が、他のソフトウェアとの比較で大きな魅力だと思っています・・・とあまり良い点ばかりアピールすると胡散臭くなるので、このあたりで止めておきます。

 

売上予算管理における悩み

(*) 本記事で述べる売上予算管理は、予算・見込の作成、実績との比較・分析という業務を想定しています

経理/企画部門の担当者

「営業部門から提出された来期の販売計画について、その数字の根拠を尋ねても曖昧な答えしか返ってこないため、計画の妥当性を検証できない」

営業部門の担当者

経理/企画部門に販売計画を提出するため、自部門の管理ファイルから提出用ファイルにデータを転記している。提出用ファイルは毎回レイアウトが変わるため、対応が面倒で時間もかかる」
経理/企画部門から報告される毎月の売上レポートや分析は、自分たちが管理する項目とは切り口が異なるため、あまり見ていない。そもそも何の数字が集計されているのかよく分からない」


売上予算管理にまつわるこのような声は、決して珍しいものではありません。皆様の会社ではいかがでしょうか?

売上予算管理はどの企業でも必要不可欠な業務であり、業績管理の中でも特に重要な位置を占めています。そして、各社が抱える悩みには共通点があるように思います。

一般的には、まず営業部門が販売計画・見込を作成して、経理/企画部門ではそれらを組み込んだ全社の予算・見込P/Lを作成します。また、経理/企画部門は月次で予実差異を分析して関係者に報告します。必要であれば、営業部門に詳細な分析を依頼します。

ここで、部門間での情報のやり取りに際して、相手部門の要望を満たす最低限の情報だけが提供され、その根拠となる数字はお互い見えないまま、ということがよくあります。

また、相手部門に情報を提供するにあたり、手作業で数字を加工して、所定のレイアウトに落とし込むといった作業が発生します。仮にシステムを導入している場合でも、部門ごとに別個のシステムであれば、自動であれ手作業であれ、コードの変換や集計といった処理が必要になります。

さらには、営業部門で特定の職人的な社員がエクセルを駆使して予算や見込みを作成することにより、当該社員以外は数字の算出過程を追うことができなくなり、業務の属人化が進みます。

このような状況下で、営業、経理/企画の両部門は以下のような問題に直面することになります。

  • 数字の根拠や背景が分からない
  • 予算や見込の精度が低いままで改善されない
  • データの処理や管理に手間がかかる

 

問題の解消に向けて

これらの問題は、営業部門と経理/企画部門で売上予算管理に対する関心や視点が異なっていることに起因しています。

【 社内の売上予算管理 】

 

①販売計画・見込

②全社予算・見込

管轄部門

営業部門

経理/企画部門

管理対象項目

数量と金額

金額 (補足として数量)

管理の切り口

販路、商品群、SKUなど

セグメント、部門など

業務サイクル

年一回の予算策定
+ 短サイクルでの見込更新
(月次や四半期)

年一回の予算策定
+ 2~3回の見込更新


営業部門は「効果的な営業活動の展開による売上増加」、経理/管理部門は「損益の見通しの把握と報告」という責任を負っています。各部門で負っている責任が異なる以上、上表の相違は必ず発生します。このため、問題を解消するためには、それぞれの部門の業務要件を同時に満たし、両部門の数字をシームレスに連携させて、数字の流れをインプットからアウトプットまで可視化する仕組みが必要となります。

これを実現するのが、今回リリースされたミニアプリ「売上予算管理」です!って予想どおりの展開ですね。

 

ミニアプリを活用したスモールスタート

fusion_place は比較的自由度が高いソフトウェアであり、企業固有の要件にきめ細やかに対応したアプリを構築することができます。実際、ホームページで紹介されている事例をはじめとして、様々な用途で利用されています。ただ、自由度が高いことはメリットである反面、あれこれと要件を組み込んで作り込んだ結果、構造や仕組みが複雑化してしまうというデメリットもあります。

今回の「売上予算管理」アプリは、文字どおり売上予算管理に特化しており、かつ必要最低限の要件をベースに構築しています。これは、新規導入時の心理的・技術的なハードルを下げるとともに、必要最低限の機能であっても問題の解消には有効な手段となりうることを体感していただくねらいがあります。

用途を限定したシンプルなアプリであり、かつ無料で利用できるため、スモールスタートには最適です。そして、実際の効果を見極めてから次の展開、すなわち要件の追加や他の業務への展開を検討することが可能です。

売上予算管理は、事業特性、業種、業態の影響を色濃く受ける領域ですが、当アプリはあらゆる業種でお使いいただけます。マスターの初期値は、多くの方がイメージしやすい国産自動車ディーラーのビジネスモデルを前提としており、セグメント/エリア/商品群といった切り口でデータを集計・分析することができます。このアプリをベースにして、貴社の事業に合わせたアプリを短期間で構築することができます。

 

今後のリリース予定

今回リリースしたアプリは「1stステップ」に位置付けられます。対応する業務要件を絞り込んでいるため、上述の問題のすべてを解消するものではありません。今後、2ndステップ、3rdステップで段階的に機能を拡充してリリースする予定です。

まずは第一歩として、このミニアプリで貴社の業務改善を進めてみませんか?